酒井俊幸監督からのオリジナルコメント
 ~第98回箱根駅伝総括~

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  第98回箱根駅伝が終わり、来る2022年シーズンに向けて新たなる戦いが始まっています。 
  新チームの体制は、主将に前田義弘選手、副将に児玉悠輔選手、寮長に清野太雅選手、田中智也主務となりました。
 第90回大会以来となる9年ぶりの箱根総合Vに向け、再び強い鉄紺東洋の歴史を突き進んでほしいと思います。
  酒井監督、今回もご多用中のところコメントありがとうございました。


  第98回箱根駅伝では多くの方々に支えられ、20年連続80回目の出場を果たしました。大会開催に御尽力していただいた多くの方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。

今回の箱根駅伝は出雲駅伝、全日本大学駅伝で区間賞を獲得した石田が間に合わず、ベストメンバーが揃わない苦しいオーダー編成となりました。

 各区間を振り返ると、区の児玉は直前の調子がとても良く10キロを28分30秒のハイペースで通過しても対応できました。中盤以降苦しい展開を粘っていましたが、17キロ以降に一旦遅れるものの前が見える位置で襷をつなぎました。

 2区の松山は全日本大学駅伝の走りとは異なり、集中力を切らさずに最後の上り坂を力強く走り切り、昨年の記録を超えて順位も上げました。2区のコース適性が高いことを改めて感じました。

 3区もスピード区間となり、佐藤は序盤から粘り強く耐えながら、狙い通り後半のペースアップで順位を2つ上げました。

 4区は調子に勢いのある木本を起用しましたが、単独走から10キロ以降に他大学と一緒となると一気にペースが落ちてしまい、順位を大幅に下げてしまいました。

 5区の宮下は自らの区間記録に挑みましたが、登りの序盤からピッチが上がらず想定よりもタイムを刻むことができず、順位を3つ上げるだけで終わりました。最後の箱根駅伝で納得のいく走りではありませんでしたが、主将として過ごしたこの1年間の経験を実業に進んだ後も活かし、マラソン代表を目指して欲しいです。

 往路は想定よりも悪く出遅れてしまいましたが、気持ちを切り替えて最後まで諦めない走りを目指していこうと復路メンバーに伝えて翌日に臨みました。

 復路は各区間ともに最後の最後まで粘りのある
りで、次の走者に闘争心の宿った鉄紺の襷渡しをしてくれました。

 6区の九嶋、7区の梅崎ともラスト3キロから切り替えて粘り強く走り、1秒をけずりだしました。

8区では、長らく故障に苦しんでいた蝦夷森が強気の走りで流れを変えてくれました。順位こそ9位のままでしたが、終盤の追い上げで前をいく帝京大、東海大に迫って繋ぎました。学生最後の大会にかける想いがとても伝わってくるラストスパートでした。

 復路の要として起用した9区の前田は序盤から強気に攻めの走りをしました。國學院大に抜かれたものの順位を2つ上げ、前をいく東京国際大に追いついて襷を渡しました。前田のこれまでの駅伝にはない終盤の粘りが次の10区清野にも伝わりました。

 10区の清野は元日に亡くなった祖父を想い「おじいちゃんの為に」と腕に書き記して気迫に満ちた走りをしました。最後まで目標の3位を諦めずに東京国際大と併走しながら強気で攻めました。3位争いをしていた駒澤大、中大の背中を見つめながら順位を押し上げ一度は駒澤大を抜き位となりましたが、最終的には位でゴールテープを切りました。目標の3位以内は達成できませんでしたが、復路位と巻き返して17年連続シード権を獲得しました。

 運営管理車から見つめていた復路選手の背中からは、箱根駅伝にかける想いやチームへの想い、誰かのために届けたい想いが走りから伝わってきました。
 レース全体を振り返ると、想定外の区間もありましたが伝統の鉄紺のユニフォームを身にまとい選手全員が粘り強く走りました。“鉄紺の証明”として選手たちが限界に挑み、1秒をけずりだすひたむきな走りができたことは誇りに思います。

 優勝タイムとは大きな差がついた結果となりましたが、この差を埋めるよう取り組んで参ります。
 今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。


   東洋大学陸上競技部男子長距離部門監督 酒井俊幸


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