第89回箱根駅伝 東洋大学全成績


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【レースを振り返って(管理人の私的戦評・総括)】
  チームスローガン “その一秒をけずりだせ”を掲げ、再びV奪回に挑んだが、青学大の3冠・3連覇を阻止できず、健闘するも総合2位でフィニッシュ。前回よりも多い7分21秒もの大差をつけられた。
  1区の服部弾駅伝主将は、区間賞が最低条件の中、良い流れを作ることと後続との差を広げることを使命としてスタートしたが、他校との駆け引きや抵抗を受けて僅差で乗り切りトップで2区へつないだ。
  2区の山本修選手は、次代のエース候補として“花の2区”を任され、前半から中盤にかけて集団の中で粘ったが後半失速。オリンピアンとはいえ同学年の順大・塩尻選手と約1分差をつけられて区間11位となった経験は、来季に向け更に強くなる糧となるはずだ。
  3区の口町選手は、今季待望の初駅伝にして最後の箱根であったが、持ち前の積極果敢な攻めの走りはまさに“その一秒をけずりだせ”のスピリッツを体現したものであり、チームを鼓舞する走りは見事であった。
  4区の櫻岡選手は、爆発力はないものの堅実な走りが身上の上級生らしい走りであったが、後半追い込みきれず、わずか16秒差で区間賞のチャンスを逃したのはもったいなかった。
  5区の橋本選手は、主将としてチームを率いてきた重圧の中、自身最初で最後の三大駅伝はコース変更となった山上り。前半は素晴らしい追い上げを見せたが、後半は苦しい走りとなり順大にかわされるも、トップ青学大と3分差以内、復路の反撃につながる位置でフィニッシュした。区間順位は12位だが、主将として1年間ひたむきに取り組んできた心意気の走りは、鉄紺東洋の上級生らしい走りをチームに残したと思う。
  6区の堀選手は、満を持して初の箱根で山下りを担ったが、持ち前のスピードを活かしきれず、トップに差を広げられ区間13位。この悔しさと経験を来季に必ず活かしてくれると思う。
  7区の小笹選手は、1分近く先を走る順大を追撃する使命を担い、着実に前を追い続け、追いついてからは冷静に駆け引きをしながら突き放した走りは見事。来季はスピードと力強さを増してどの駅伝でも区間賞が取れるエース級に進化してほしいと期待する。
  8区の竹下選手は、復路の堀・野村・小早川選手とともに来季の鉄紺東洋を支える“3年生カルテット”の一人として満を持しての箱根デビュー。区間賞を獲得した同学年の青学大・下田選手とはタイムでは2分以上も差をつけられたが、2位の早大を射程に捉える粘りの走りは、来季につながる課題と自信をたくさん経験できたと思う。
  9区の野村選手は、今回の箱根デビューにより3年生の中で唯一三大駅伝を全て経験した選手になった。初の箱根で鉄紺東洋9区歴代3位の好タイムで史上2人目の9区区間賞を獲得し、青学大に一矢報いたことはたことは殊勲賞だ。失速することなく前を追い続けた野村選手の走りも、“その一秒をけずりだす”の鉄紺スピリッツを体現していた。
  10区アンカーの小早川選手は、3年生カルテットの一角として初の箱根路でアンカーの大役。今季は5000m、10000m、ハーフともPBを更新し力強さを増し、安定した走りで2位を死守。区間順位とタイムは決して良くないが、この経験は来季の飛躍につなげてくれると思う。
  結果だけみれば、今回も完全優勝を果たした青学大の強さが目立った大会であったが、鉄紺東洋にも付け入る隙が無かったわけではない。特に、往路の流れの中でもう一押しすれば展開が変っていた場面がいくつもあったように思う。そのわずかなチャンスを確実にものにするためには、日々の更なるハードな練習やメンタルの強化が必要なのだろう。今回も7分以上の差をつけられた結果を受け止め、青学大にあって鉄紺東洋に無かったもの、足りなかった「何か」を見つけることが、これから1年間の課題になると思う。
  12年連続のシート権獲得、9年連続の総合3位以内は素晴らしい成績だが、今の鉄紺東洋は、連続出場や連続シードを目標とし、3位以内を連続させることに安堵感を覚えるチームではない。今回も、常に優勝争いができるチームづくりを目指してきた中での結果であり、手放しで喜べる2位ではない。
  しかし、4年生主体で踏みとどまった往路4位から、復路は来季の主力を担う3年生と2年生たちが巻き返して総合2位でフィニッシュしたことは、鉄紺東洋の選手一人ひとりが1秒をけずりだす走りを体現した結果であり、来季に向けて価値ある総合2位である。
  1位の青学大とのタイム差は更に広がったが、来季に向け明るい材料が見えてきた期待感により、射程距離は縮まったように思う。
  反省すべき点は経験にし、良かった点は自信に変えて、更に強くなった走りを鉄紺ファンに見せてほしい。
  来季、“絶対王者・青学大”に挑み、倒すチームは鉄紺東洋しかいない。
2017(H29)年1月2日(往路)・3日(復路) 東京・読売新聞社前〜箱根・芦ノ湖(217.1km)
総合成績 総合2位(往路4位・復路2位)(通算記録 11時間11分31秒)
(7分21秒もの大差をつけられるも来季に向けて価値ある準優勝)
12年連続シード確保で鉄紺東洋記録更新中!
往路区間 1区
大手町〜鶴見

<21.3km>
2区
鶴見〜戸塚
<23.1km>
3区
戸塚〜平塚
<21.4km>
4区
平塚〜小田原
<20.9km>
5区
小田原〜箱根町
<20.8km>
往路成績
107.5km
氏名・学年 服部弾馬・4 山本修二・2 口町 亮・4 桜岡 駿・4 橋本 澪・4
出身高校 豊川 遊学館 市立川口 那須拓陽 館林
区間記録 1.03.56 1.09.05 1.03.41 1.03.52 1.15.51
区間順位 1位 11位 3位 4位 12位
往路通算 1.03.56 2.13.01 3.16.42 4.20.34 5.36.25 5.36.25
往路順位 1位 8位 4位 3位 4位 4位
東洋記録 田口雅也
(90・2014)
1.01.46
服部勇馬
(92・2016)
1.07.04
設楽悠太
(90・2014)
1.02.13
櫻岡 駿
(93・2017)
1.03.52
橋本 澪
(93・2017)
1.15.51
(93・2017)
5.36.25

(92・2016)
5.28.59
区間記録
佐藤悠基
(東海大)
1.01.06
モグス
(山梨学大)
1.06.04
コスマス
(山梨学大)
1.01.38
栃木 渡
(順大)
1.03.36
大塚翔平
(駒大)
1.12.46
青学大
(93・2017)
5.33.45
復路区間 6区
箱根町〜小田原

<20.8km>
7区
小田原〜平塚
<21.3km>
8区
平塚〜戸塚
<21.4km>
9区
戸塚〜鶴見
<23.1km>
10区
鶴見〜大手町
<23.0km>
復路成績
109.6km
氏名・学年 堀 龍彦・3 小笹 椋・2 竹下和輝・3 野村峻哉・3 小早川 健・3
出身高校 大牟田 埼玉栄 東農大三 鹿児島城西 武蔵越生
区間記録 1.00.42 1.05.16 1.06.49 1.09.47 1.12.32
区間順位 13位 7位 4位 1位 10位
復路通算 1.00.41 2.05.58 3.12.47 4.22.34 5.31.37 5.35.06
復路順位 13位 10位 7位 2位 2位 2位
通算記録 6.37.07 7.42.23 8.49.12 9.58.59 11.11.31 11.11.31
通算順位 4位 3位 3位 2位 2位 2位
東洋記録 口町 亮
(92・2016)
59.41
設楽悠太
(88・2012)
1.02.32
大津顕杜
(88・2012)
1.04.12
上村和生
(90・2014)
1.09.24
大津顕杜
(90・2014)
1.09.08
(91・2015)
5.30.35
区間記録
秋山清仁
(日体大)
58.01
設楽悠太
(東洋大)
1.02.32
古田哲弘
(山梨学大)
1.04.05
篠藤 淳
(中学大)
1.08.01
松瀬元太
(順大)
1.08.59
青学大
(91・2015)
5.25.29
※往路の東洋記録の青字は、4・5区のコース変更前の第92回大会までの参考記録
※第93回大会からのコース変更に伴い、4区・櫻岡選手と5区・橋本選手の記録が新たに東洋大学の区間記録とする

第93回東京箱根間往復大学駅伝競走の結果
順位 大学名 総合タイム  備考(区間賞獲得者)
青山学院大学 11.04.10 ※大学駅伝3冠・箱根駅伝3連覇
3区・秋山、8区・下田
東洋大学 11.11.31 1区・服部弾、9区・野村
早稲田大学 11.12.26
順天堂大学 11.12.42 4区・栃木、10区・作田
神奈川大学 11.14.59 2区・鈴木
中央学院大学 11.15.25
日本体育大学 11.15.39 6区・秋山
法政大学 11.15.56
駒澤大学 11.16.13 5区・大塚
10 東海大学 11.17.00 7区・石橋   ※以上10校が来年のシード権を獲得
11 帝京大学 11.20.24
12 創価大学 11.20.37
13 大東文化大学 11.23.45
14 拓殖大学 11.24.22
15 上武大学 11.24.45
16 國學院大學 11.28.45
17 山梨学院大学 11.29.17
18 明治大学 11.29.17
19 日本大学 11.30.38
20 国士舘大学 11.49.18
関東学生連合 (11.31.29) ※オープン参加のため参考記録
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