“鉄紺”レース速報(箱根駅伝版・復路)
トップ頁に戻る |
---|
“感謝”と“心意気”でつないだ鉄紺の襷、歓喜の復路・総合初優勝! |
---|
【復路を振り返って(管理人の私的戦評)】 5区・山上りでの柏原選手の大逆転・悲願の往路初優勝から一夜明け、興奮冷めやらぬ翌日の復路。大西一主将からエントリー変更となった2年生の富永選手が鉄紺史上初の復路トップ・スタートを切る。初出場の緊張や気負いを感じさせない軽快な走りで早大・加藤選手と抜きつ抜かれつのデッドビートを展開し、最後は経験の差で突き離されたものの、富永選手の今回の経験は大いに自信となったことでしょう。昨年のレース結果でも着実に伸びてきており、練習は裏切らないということを証明してみせ他の選手にも良い刺激になったと思います。 7区は復路でただ一人の4年生・飛坂選手。一昨年は4区で区間5位と快走するも昨年はエントリーメンバー入りもできなかった。その悔しさと持ち前の明るさで最後の箱根では粘りの走りで見事に区間賞を獲得し、再逆転・初優勝に向けて8区以降の後輩たちに最高のお膳立てをしてくれました。 8区は箱根初出場の2年生・千葉優選手。短距離の出雲駅伝では不完全燃焼に終わったものの、距離の長い箱根では、昨年に5千・1万・ハーフとすべて自己ベストを更新してきた努力と実力を一気に見せつけてくれました。序盤から積極果敢に前を追い、追い付き、粘り、最後には突き離すという「心意気」の走りは見事でした。結果的に、8区でトップに立ち2位・早大に「45秒差」をつけた千葉優選手の快走が、その後の展開に大きな意味を持つことになりました。千葉優選手の快走には、同じ2年生・富永選手の快走が良い刺激となっていたことと思います。 そして、雌雄を決する復路のエース区間9区は、昨年8区で快走した同じく2年生の大津選手。正直、終盤の9区において鉄紺東洋が追われる立場でトップをひた走る初めての光景が信じられなかった。しかし、これは夢・幻ではなく、まぎれもない現実であった。トップを走るという舞い上がってしまいそうな展開、初めての経験にも動じることなく、堂々と前を見据え、冷静に自分の走りを続けた大津選手の精神力の強さには感服しました。それでいて勝負度どころを見極めて走っていた大津選手のレース巧者ぶりは見事でした。来年の箱根が楽しみな選手の一人です。 そして、歓喜のゴール・悲願の総合初優勝を託されたのは2年生カルテットの4人目・高見選手。9区の大津選手が2位・早大に1分26秒差をつけたものの、長丁場の10区で序盤で一気に差を詰められたら厳しい展開になると覚悟していました。しかし、初出場の高見選手も全日本大学駅伝で見せた冷静な走りで着実に大手町に向かってひた走る。20キロ過ぎからの早大・三戸選手の猛追により一瞬ヒヤッとしたが(笑)、序盤から中盤にかけて着実に走ってきた高見選手が逃げ切り、67回目の出場で初の総合優勝・歓喜のゴールテープを切った。2位・早大との差は「41秒」。9区・大津選手の上積みがあったものの、8区・千葉優選手が作った「45秒」の貯金が最後まで効いたのだと思いました。 往路優勝に続いて復路も初優勝を果たし、昭和8(1933)年の第14回大会から数えて77年目にして掴んだ栄光の初優勝。往路と復路、若松−山本−大西智−宇野−柏原−富永−飛坂−千葉優−大津−高見の10人が、サポートをしている部員全員や支えてくれた多くの方々の思いを胸に、そして全国の鉄紺ファンや沿道の方々の声援の後押しを受けて、「感謝」と「心意気」の気持ちを襷に込めながら『心』でつないだ結果が今回の初優勝につながったのだと思います。 歓喜のゴールの瞬間をおよそ50m手前で見ていましたが、昨日の往路優勝とは違い、涙ではなく清清しい気持ちで見つめていました。 選手一人ひとりの「感謝」と「心意気」の気持ちは、多くの方々に伝わったことでしょう。 |
---|
歓喜のフィニッシュテープを切る高見選手(写真提供 東洋大学広報課) |
◎第85回箱根駅伝・東洋大学成績《復路・総合》 |
---|
区間 | 氏名 | 学年 | タイム | 区間順位 | 復路順位 | 総合順位 | 私的寸評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第6区 | 富永 光 | 2年 | 1.00.48 | 12位 | 12位 | 2位 | 努力の人、「輝け鉄紺!賞」です |
第7区 | 飛坂篤恭 | 4年 | ☆1.05.01 | 1位 | 6位 | 2位 | 最後に見事な大仕事! |
第8区 | 千葉 優 | 2年 | 1.06.42 | 2位 | 2位 | 1位 | 出雲の雪辱を箱根で果たした! |
第9区 | 大津翔吾 | 2年 | 1.11.16 | 2位 | 1位 | 1位 | 年々強くなる。来年は区間賞を! |
第10区 | 高見 諒 | 2年 | 1.12.03 | 6位 | 1位 | 1位 | 昨年走れなかった悔しさを見事に |
復路成績 | 5.33.24 | 1位 | 初優勝! | ||||
往路成績 | 5.35.50 | 1位 | 初優勝! | ||||
総合成績 | 11.09.14 | 1位 | 悲願の総合初優勝!(史上最遅記録も勲章!) |
※タイムの前の☆は東洋大学区間新記録 |
◎第85回箱根駅伝・復路成績 |
---|
1位 | 東洋大学 | 5.35.50 | 復路初優勝! |
---|---|---|---|
2位 | 早稲田大学 | 5.36.09 | |
3位 | 関東学連選抜 | 5.37.47 | |
4位 | 日本体育大学 | 5.37.58 | |
5位 | 大東文化大学 | 5.38.40 | |
6位 | 中央大学 | 5.38.41 | |
7位 | 駒澤大学 | 5.39.01 | |
8位 | 日本大学 | 5.39.16 | |
9位 | 明治大学 | 5.39.18 | |
10位 | 東京農業大学 | 5.39.21 | |
11位 | 山梨学院大学 | 5.40.19 | |
12位 | 国士舘大学 | 5.41.05 | |
13位 | 中央学院大学 | 5.42.05 | |
14位 | 亜細亜大学 | 5.42.46 | |
15位 | 神奈川大学 | 5.43.35 | |
16位 | 専修大学 | 5.43.44 | |
17位 | 青山学院大学 | 5.44.16 | |
18位 | 拓殖大学 | 5.44.38 | |
19位 | 東海大学 | 5.44.45 | |
20位 | 上武大学 | 5.45.39 | |
21位 | 順天堂大学 | 5.46.04 | |
22位 | 帝京大学 | 5.49.04 | |
城西大学 | 記録なし | 8区途中棄権 |
この頁の先頭に戻る |
---|