【レースを振り返って(管理人の私的戦評)】
箱根連覇に向け、挑戦者としての手ごたえを掴むための伊勢路。酒井監督2度目の大学駅伝采配は、結果として全日本大学駅伝の過去最高順位を更新する価値ある2位をもたらした。出雲に次いで1区スターターを任された柏原選手は、まったく危なげないエースの走りで2区の宇野選手へ。宇野選手は初の伊勢路をまずまずの走りで3区へつないだ。3区の川上選手は、出雲で開花した安定感のある走りを発揮し、チーム再浮上のつなぎ役を果たす。4区の高見選手は、上位戦線に踏みとどまるために攻めの走りが求められる中、他校のエース級に引けをとらない落ち着いた走りで区間4位は見事。5区の千葉優選手は、初の伊勢路で本来の力を発揮できず区間13位に終わった結果を踏まえ、箱根に向けた軌道修正を期待する。6区の佐藤寛選手は、出雲で開花した実力を遺憾なく発揮し、粘りとスピードを兼ね備えた走りで堂々の区間3位。今年の箱根メンバーに選ばれながら、走ることができなかった悔しさを一番噛みしめているのは佐藤寛選手であると思う。佐藤寛選手には、ぜひ来年の箱根で区間賞の激走を期待したい。7区の田中選手は大学駅伝デビュー戦。地元三重の稲生高校出身であり、故郷に錦を飾る走りを期待していたが、期待以上の(失礼)落ち着いた走りで明大・遠藤選手と同タイムで区間賞を獲得。この自信を次につなげてほしい。そして8区アンカーは実力者大津選手。トップにおよそ1分差の2位でタスキを受け、展開次第では優勝争いも!と戦前の予想どおりかと一瞬思ったが、明大に追いつき振り切り、鉄紺史上最高順位を更新する2位でフィニッシュテープを切り、伊勢路に鉄紺東洋の新たな歴史を刻んだ。
2位という結果であっても、今回も収穫とともに課題が多く見つかった駅伝だったと思う。走った選手は、良かったことは「自信」に、悪かったことは「経験」にかえて次のレースに活かしてほしい。また、今シーズンの大学駅伝を走れなかった選手は、この悔しさをバネにおよそ1か月後に迫った箱根のチームエントリーに向けて調子を上げ、チーム全体の士気がさらに上がることを期待したい。
今回の2位は、鉄紺東洋が着実に強くなっていることの証である一方、他校が本調子でないために救われた部分も多分にあったように思う。したがって、決して慢心することなく、感謝と心意気の気持ちを胸に刻み、競技と学業の両立、手洗いうがいの徹底など基本を意識して体調管理に万全を尽くしてほしい。
第86回箱根駅伝まであと62日、酒井監督のもと、焦らず、たゆまず、チーム一丸となって見据えるは頂点、箱根連覇だ!
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