【私的戦評】
今年の箱根駅伝以来、久々に鉄紺戦士たちの勇姿を見に行きました。ホームストレートに簡易な階段状の観覧席しかない競技場でしたが、各大学の関係者やファンでかなりの人出でした。川嶋監督にご挨拶に伺った後、スタート地点の斜め後あたりに職場の先輩(惜しくも8位の大学OBで、4組終了後に見切りをつけ先にお帰りになりましたが)と陣取りました。
レースについては、1組目の尾田選手、宮田選手とも前半から集団の前のほうに位置取りし、走りのリズムを確かめつつ、集団の流れを把握しているような落ち着いたレースをしていました。結果、3着と5着。先鋒役の二人の好発進が後続に「やれる!」という手ごたえを与えたと思います。私も上位通過を確信しました。2組目の今堀選手、松尾選手も同様に終始集団の上位に位置し、特に今堀選手は1週目から先頭に出る積極性を見せ、中盤以降やや位置取りを下げたものの7着と粘ったことは評価できると思います。続いて期待の黒ア選手、山本選手が登場する3組。レース展開そのものは、出場選手の顔ぶれからするとかなり遅いペースでした。しかし、ラスト5周あたりから順大の2人が前に出はじめ、ラスト1周からのスパートが凄まじかったですね。そんな中、黒ア選手も山本選手もひとケタ順位で粘ってくれました。そして迎える最終4組。北島選手と大西智選手の28分台コンビが、各大学のエースたちとどのような勝負を演じるか注目していました。スタート直後から早大の竹澤選手が飛び出し、その後を中学大の木原選手が追走するハイペースの展開にどうなるかと思いましたが、やがて後続集団に吸収され、トップが何人か入れ替わりながらそのままの後半まで進みました。北島選手は中盤以降、4番手あたりに付け、大西智選手もそのすぐ後ろに着いてレース展開を冷静に窺っているようでした。ラスト1周の鐘が鳴り、ワンツーフィニッシュか!と一瞬色めきたちましたが、悔しいかな順大の松岡選手のラストスパートは素晴らしかった。しかし、あの展開の中で最後まで粘って2、3着でゴールできたのは賞賛に値します。
今回のレースを振り返ると、総じて集団の上位で冷静にレース展開を見ながらのあぶなげない走りでしたが、やはり今後のことを考えると、自らレースメイキングできるような自信と強さが必要なのかもしれません。結果的にはチームとして全日本大学駅伝への出場権を手にしましたが、走った選手の皆さんにはそれぞれに課題もあったかと思います。逆に、課題を感じないと次へのモチベーションになりませんので、常に「心意気」を忘れないでください。
いずれにしても、今シーズンは川嶋監督勝負の5年目、それにふさわしいチーム力が春先から発揮されています。川嶋監督の手腕を信じていますし、選手たちの成長も頼もしく感じています。くれぐれもケガや体調管理には十分留意し、夏合宿ではさらに大きく飛躍してください。今の努力のその先に見据えるのは、あくまでも「箱根」です。
なお、今回のレースに関して川嶋監督からコメントをいただけることになっていますので、後ほどあらためてアップいたします。
最後に、オープンで出場したルーキーの山口選手に「大器」の片鱗を見ました。大いに期待しています。
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