ランナー列伝“鉄紺伝説”2
青梅マラソンと鉄紺東洋、そして箱根駅伝
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  管理人も「ほんの少し」だけ縁がある青梅マラソン。
  今回は、池中さんの鉄紺伝説とは趣を変えて、軽くJOGのイメージでまとめてみました。
 
1 青梅マラソンって?
  全国のマラソン・ジョギングファンはもとより、東京近郊ではお馴染みの「青梅マラソン」。
  先日、第41回大会が行われましたが、市民マラソンの草分けとしても知られています。
  男女とも30キロと10キロの2種目があり、青梅市内をスタートして青梅街道を奥多摩方面に向かって走り折返すコースです。およそ80mの高低差があるため、概ね行きが登りで帰りが下りですが、コース全体にアップダウンが続くとてもタフなコースです。私もかつて若き日に30キロを何度か走った経験があり、苦しんだ思いが今でも記憶に残っています。

2 名ランナーと青梅
  昭和42年(1967)3月5日、東京オリンピックマラソン銅メダリストの故円谷幸吉さんが参加して行われた第1回大会以来、山田敬蔵さん、宇佐美彰朗さん、喜多秀喜さん、伊藤国光さん、瀬古利彦さんなど往年の名ランナーが青梅路を駆け抜けています。
  女子選手では、佐々木七恵さんが学生時代から数回出場して上位入賞を重ねており、谷川真理さんも高校時代に女子10キロで4位になったことがあります。

3 箱根の“山”と青梅
  箱根駅伝との関係でみてみると、東海大監督の新居利広さんや駒大監督の大八木弘明さん、早大の“山の名手”金哲彦さんが学生時代に出場し上位入賞しているのをはじめ、城西大監督の平塚潤さん(日体大出身)は実業団時代に、早大監督の渡辺康幸さんは学生時代にそれぞれ30キロで優勝しています。
  さらに、“トリビア”的なところでは、箱根駅伝で“ごぼう抜き男”として知られている東農大の服部誠さんは高校時代に10キロで優勝、大東大の“山登り名人”大久保初男さんも高校10キロで2位を2回記録しています。
  5区山登りで区間賞を獲った大久保初男さんや大八木弘明さん、金哲彦さんのほかにも、調べれば5区・6区で好走し青梅路でも好走した選手はいると思います。
  いまだ記憶に新しいところでは、“山の大東”の奈良修さんは高校時代に10キロで優勝、山下りで好走した加々見雄三さんも10キロで優勝しています。
  高校あるいは大学時代に青梅路をかけた選手の多くが箱根の山登り・山下りで好走していることを見ると、あのコースの特徴からしても、箱根の“山”の適性と通じる要素が多分にあるのかもしれません。

4 鉄紺東洋と青梅
  青梅マラソンにおける過去のデータを振り返ってみると、わが鉄紺東洋の箱根駅伝の歴史とも深いつながりがあることがわかってきました。
  第1回大会で9位入賞を果たしている佐々木功さんは、4年連続出場のうち第42・43回大会の5区山登りで区間一ケタを記録しています。第3回大会の30キロに出場して7位となった田中末喜さんは4年連続の箱根で区間賞1回を含め常に区間上位で走っています。第6回大会で入賞した塚越久男さんも「山」の区間ではありませんが8区を含め4年連続で箱根路を駆けています。さらに、高校時代と実業団時代に上位入賞し、後に東洋大に進学することになる保田仁さんは2度の6区山下りで区間2位・4位と好走しています。
  そのほか高校時代に青梅で上位入賞した選手では、関口操さんは2度の5区山登りで区間一ケタ、堤隆裕さんは8区で区間5位、4区で区間6位、仙内勇さんは鉄紺東洋史上唯一の4年連続5区山登りで結果を残しています。
  最近の結果では、優勝を飾った神田哲広さんや生田直人さん、3位入賞の奥田孝志さんも箱根で好走しています。

5 “青梅”から“箱根”へ期待をこめて
  あくまでも結果論かもしれませんが、箱根駅伝での活躍は、とりわけ「山」での好走に関しては青梅マラソンが一つのバロメーターになるようです。別の言い方をすれば、高校時代に青梅マラソンで上位入賞した選手の多くは、箱根駅伝に出場して活躍しているということになります。今季新2年生になる上健太郎選手は優勝、横山龍弥選手も優勝と同タイムで2位になっており、今季入部予定の前田信哉選手とともに次の箱根での活躍が期待されます。大いに自信をもって頑張ってください。
  以下、鉄紺東洋に関わる成績をあらためて整理してみました。
 
                                                2007.2.10記
鉄紺東洋関係の上位入賞選手
2020年2月現在
第1回大会 1967(S42).3.5
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 佐々木 功 東洋大学 9位 1.40.58 42・5・9、43・5・7、44・9・3、45・9・6
第3回大会 1969(S44).2.23
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 田中末喜 東洋大学 7位 1.37.16 44・2・7、45・2・4、46・7・1、47・2・4
高校10` 保田 仁 成立商業高校 4位 31.55 50・6・2、51・6・4、52・2・10
※保田さんは高校卒業後、実業団(小森印刷・現小森コーポレーション)を経て東洋大学に進学
第5回大会 1971(S46).2.21
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 佐々木 功 リッカー 8位 1.37.04 第1回大会欄参照
保田 仁 小森印刷 9位 1.37.34 第3回大会欄参照
第6回大会 1972(S47).2.20
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 塚越久男 東洋大学 9位 1.37.59 47・1・7、48・9・6、49・9・6、50・8・13
第7回大会 1973(S48).2.18
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 関口 操 結城一高校 4位 31.33 51・5・8、52・5・5、53・2・12
堤 隆裕 足利工大付高 5位 31.39 52・8・5、53・4・6
※ちなみに、前年引き続きこの年も2位は大久保初男さん(東北高校)
第13回大会 1979(S54).2.18
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 仙内 勇 遠野高校 4位 32.08 56・5・2、57・5・9、58・5・3、59・5・13
第26回大会 1994(H4).2.16
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 神田哲広 昭和高校 5位 31.50 73・10・12、74・4・15
第27回大会 1995(H5).2.21
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 神田哲広 昭和高校 優勝 30.20 第26回大会欄参照
※大会新記録で初優勝。第41回大会まで12年経った今でも破られていない
第28回大会 1996(H6).2.20
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 神田哲広 昭和高校 優勝 30.46 第26回大会欄参照
※高校10キロの連覇は史上4人目の快挙
第31回大会 1997(H9).2.16
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 生田直人 飯能高校 優勝 31.14 75・8・8、76・8・6
第32回大会 1998(H10).2.15
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 小澤希久雄 コニカ 8位 1.35.05 71・7・7、72・4・13、73・9・13
高校10` 生田直人 飯能高校 4位 32.08 第31回大会欄参照
第33回大会 1999(H11).2.21
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 奥田孝志 智弁学園高校 3位 31.29 76・4・15、79・7・6
第34回大会 2000(H12).2.20
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 酒井俊幸 コニカ 2位 1.31.41 72・3・11、73・7・12、74・1・13
高校10` 信清高志 如水館高校 3位 31.18 80・3・20、81・7・15
第35回大会 2001(H13).2.18
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 酒井俊幸 コニカ 4位 1.32.42 第34回大会欄参照
第38回大会 2004(H16).2.15
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 小澤希久雄 コニカミノルタ 3位 1.33.27 第32回大会欄参照
第39回大会 2005(H17).2.20
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 上 健太郎 南多摩高校 優勝 30.47 (2009(H21)OB)
横山龍弥 飯能高校 3位 31.10 (2009(H21)OB)
第40回大会 2006(H18).2.19
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 横山龍弥 飯能高校 2位 31.15 (2009(H21)OB)
上 健太郎 南多摩高校 6位 31.36 (2009(H21)OB)
第41回大会 2007(H19).2.4
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
高校10` 前田信哉 東京実業高校 5位 31.29 (2010(H22)OB)
第43回大会 2009(H21).2.15
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 黒ア拓克 コニカミノルタ 優勝 1.32.50 82・2・2、83・2・3、84・2・6
第44回大会 2010(H22).2.21
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 上 健太郎 東洋大学 33位 1.46.18 (2009(H21)OB)
第45回大会 2011(H23).2.20
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 佐藤智大 東洋大学 7位 1.35.05
第47回大会 2013(H25).2.17
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 柏原竜二 富士通 3位 1.31.49 85・5・1、86・5・1、87・5・1、88・5・1
山本浩之 コニカミノルタ 4位 1.32.20 82・7・13、83・3・5、85・2・17
土屋天地 東洋大学 9位 1.36.15
第51回大会 2017(H29).2.19
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 口町 亮 東洋大学 9位 1.34.54 92・6・4、93・3・3
(青梅マラソンの東洋大学生最高記録)
第52回大会 2018(H30).2.18
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30`  大津顕杜 トヨタ九州 4位 1.33.21 88・8・1、89・8・7、90・10・1
口町 亮 SUBARU 5位 1.33.37 92・6・4、93・3・3
 
 第53回大会 2019(H31).2.17
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30` 口町 亮 SUBARU 4位 1.33.47 92・6・4、93・3・3
 
  第54回大会 2020(R2).2.16
部門 氏名 所属 順位 記録 箱根駅伝での成績(回・区間・順位)
一般30`  田口雅也 Honda 優勝 1.30.45 88・4・1、89・1・1、90・1・3、91・1・4
宮下隼人 2年 17位 1.36.38 96・5・1


輝け鉄紺!がんばれ東洋大学
柏原選手の青梅マラソン初出場に沸いた第47回大会(2013年)の先頭集団
(撮影 管理人)
参考文献:『第40回記念青梅マラソン大会記録集』所収「過去の大会記録」
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