第99回東京箱根間往復大学駅伝競走 東洋大学全成績


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【レースを振り返って(管理人の私的戦評・総括)】
  トップ3を目指して臨んだ81回目の箱根路、第99回大会が終わった。2区終了時点で19位に後退し、節目の記念大会を除き出場15校制であった第78回大会(2002年)までに経験した最下位(15位)より後位という、鉄紺史上初めて目にする信じがたい光景に、選手、スタッフ、そして我々鉄紺ファンの誰もが「まさか」の思いを瞬間的に共有したのではないか。運営管理者から目の当たりにした酒井監督も「二度と味わいたくない最後尾のほうの景色」とレース後に語っていたように、誰一人想像すらしていなかった序盤であったが、3区以降の8区間では、大手町のフィニッシュテープを切る直前まで抜きつ抜かれつのレースを展開し、ある意味、1秒をけずりだしながら前を追い続ける鉄紺の真骨頂が発揮された大会であったと思う。結果的に18年連続シードを死守し、来る2023年度シーズンの三大駅伝出場を確保できたことは、新たに始動するチーム鉄紺の指針となる。
  年間を通して故障無く走力を鍛え上げ、全レースにピークを合わせることは容易ではないが、今回3冠を成し遂げた駒大をはじめ、10人が区間ヒト桁順位で総合2位に躍進した中大、想定外の順位から最終的に総合3位に食い込んだ青学大など、結果を出している強豪校がひしめいているので、新チームはシード最下位から一気に3冠に挑戦する強い気持ちでスタートしてほしい。
  レースを振り返ると、3年連続で1区を担った児玉副将は、スタート直後からけん制し合う大集団の中で最後尾に近い位置取りのまま推移していたが、終盤のペースアップに対応できずトップと56秒差の区間17位。これまでの経験を活かしきれなかったのが残念に感じた。
  2区は箱根初出走の石田選手。襷を受けた位置が良くなかったことと、数日前に体調不良があった中で区間19位と力を発揮できなかった。中学・高校時代に世代のトップを走り抜けてきた石田選手本人にとっても、見たことも経験したことも無い景色だったと思う。酒井監督が「失敗しても学びがあれば経験値になる」と言われるとおり、これで三大駅伝を全て経験できた。石田選手の実力はこの程度ではないので、「プレッシャー」という憑き物が落ちたように一気にブレイクする石田選手を楽しみにしたい。
 3区の小林選手はトラックでのスピードが増し、ハーフでも上位入賞する進境著しい選手。19位で襷を受ける展開での三大駅伝デビューであったが、鉄紺3区歴代3位タイの好タイム(区間9位)で3人を抜き去り、16位まで順位を押し上げて反撃のきっかけを作った。来季が楽しみな選手である。
 4区は最初にして最後の箱根路を駆けた柏選手。平塚中継所を10位で通過した法大のシード圏内まで2分32秒もの差がある厳しい状況の中、区間順位こそ13位であったが2人を抜き去り14位で小田原中継所につないだはしりは見事。今秋開催予定のMGCが楽しみである。
 5区は4年連続の箱根路となる前田主将。キャプテンの重責と鉄紺のプライドを背負いながら初の山上りに挑み、3人を抜き去る区間5位の力強い走りで往路11位、10位の創価大まで1分27秒差まで詰め寄った。
 6区は唯一の1年生、次代のエース候補のひとり西村選手。前半から積極果敢に攻め、約17キロ地点の函嶺洞門までは区間上位でラップを刻んでいた。残り3キロは苦しんだが、前との差を12秒詰めた力走に来季以降の山下りに光明が差したのでないか。
  7区の佐藤選手は前回の3区のような走りを期待していたがなかなかペースが上がらず、シードラインの10位明大まで1分45秒差、さらに30秒の差が広がった。来季に最上級生となる佐藤選手には、この経験を糧に飛躍を期待する。
 8区の木本選手は、果敢に前を追い1秒をけずりだす走りを見事に体現し、前回4区での悔しさを晴らす区間賞の力走。1人を抜き10位の城西大まで33秒に迫り、前回の蝦夷森選手、前々回の野口選手と同様、これぞ4年生という鉄紺伝統の走りであった。
 9区は2年生エースとして着実に力を付けている梅崎選手。復路のエース区間の地点ラップを上位で刻み、2人を抜き去り総合9位に順位を押し上げた。上半身がブレない力強いフォームの走りに、来年の山上りの適性を見た気がした。
 10区・アンカーは3年連続の清野選手。10位に秒差の9位で襷を受け、後続の追い上げを振り切りながらシードを確実にするために1つでも前の順位を目指す難しい展開の中、最後まで1秒をけずりだす走りを体現した。結果は9位の城西大に4秒先着され、タイムも前回より74秒遅く区間9位であったものの、3年連続でアンカーを任されたのは、清野選手が鉄紺史上初の偉業である。
 鉄紺東洋にとって、今回の総合10位は想定外にして最低限の着地点である。無難に10人で襷をつなぎきったが、区間上位の結果を残したのは、関東インカレのハーフマラソンで入賞した梅崎選手、木本選手、前田主将の3人である。やはり、ハーフマラソンで上位に入るだけの走力、勝負強さが不可欠なのは明白である。
 来年の第100回記念大会で、鉄紺東洋が再び光輝くための1年を見守っていきたい。
2023(R5)年1月2日(往路)・3日(復路)  東京・読売新聞社前〜箱根・芦ノ湖(217.1km)
総合10位(往路11位・復路6位)
総合記録 10時間58分26秒〔往路苦戦も8・9・10区で闘争心を解き放つ走り!〕
復路で巻き返し18年連続シード確保!
往路区間 1区
大手町〜鶴見

<21.3km>
2区
鶴見〜戸塚
<23.1km>
3区
戸塚〜平塚
<21.4km>
4区
平塚〜小田原
<20.9km>
5区
小田原〜箱根町
<20.8km>
往路成績
107.5km
氏名・学年 児玉悠輔・4 石田洸介・2 小林亮太・2 柏 優吾・4 前田義弘・4
出身高校 東北 東農大二 豊川 豊川 東洋大牛久
区間記録 1.03.40 1.10.04 1.02.33 1.03.04 1.11.21
区間順位 17位 19位 9位 13位 5位
往路記録 1.03.40 2.13.44 3.16.17 4.19.21 5.30.42 5.30.42
往路順位 17位 19位 16位 14位 11位 11位
往路
東洋記録
田口雅也
(90・2014)
1.01.46
相澤 晃
(96・2020)
1.05.57
設楽悠太
(90・2014)
1.02.13
相澤 晃
(95・2019)
1.00.54
宮下隼人
(96・2020)
1.10.25
(95・2019)
5.26.31

往路
区間記録
吉居大和
(中大)
1.00.40
ヴィンセント
(東国大)
1.05.49
ヴィンセント
(東国大)
59.25
ヴィンセント
(東国大)
1.00.00
山本唯翔
(城西大)
1.10.04
青学大
(96・2020)
5.21.16
復路区間 6区
箱根町〜小田原

<20.8km>
7区
小田原〜平塚
<21.3km>
8区
平塚〜戸塚
<21.4km>
9区
戸塚〜鶴見
<23.1km>
10区
鶴見〜大手町
<23.0km>
復路成績
109.6km
氏名・学年 西村真周・1 佐藤真優・3 木本大地・4 梅崎 蓮・2 清野太雅・4
出身高校 自由ケ丘 東洋大牛久 東洋大牛久 宇和島東 喜多方
区間記録 1.00.13 1.04.35 1.04.16 1.08.36 1.10.04
区間順位 13位 15位 1位 4位 9位
復路記録 1.00.13 2.04.48 3.09.04 4.17.40 5.27.44 5.27.44
復路順位 13位 13位 9位 5位 6位 6位
復路
東洋記録
今西駿介
(96・2020)
57.34
設楽悠太
(88・2012)
1.02.32
大津顕杜
(88・2012)
1.04.12
梅崎 蓮
(99・2023)
1.08.36
清野太雅
(98・2022)
1.08.50
(98・2022)
5.26.25
復路
区間記録
館澤亨次
(東海大)
57.17
阿部弘輝
(明大)
1.01.40
小松陽平
(東海大)
1.03.49
中村唯翔
(青学大)
1.07.15
中倉啓敦
(青学大)
1.07.50
青学大
(98・2022)
5.21.36
総合記録 6.30.55 7.35.30 8.39.46 9.48.22 10.58.26 10.58.26
総合順位 11位 12位 11位 9位 10位 10位
(18年連続シード)
東洋総合
最高記録
     (98・2022)
10.54.59
 
 大会総合
最高記録
     青学大
(98・2022)
10.43.42
 
※8区・木本選が鉄紺歴代3位記録で区間賞を獲得し、第96回大会以来3大会ぶりの区間賞!
※9区・梅崎選手が鉄紺記録更新の大健闘!
第99回東京箱根間往復大学駅伝競走の結果
順位 大学名 総合タイム  備考(区間賞獲得者)
駒澤大学 10.47.11 6区・伊藤
中央大学 10.48.53 2区・吉居、3区・中野
青山学院大学 10.54.25 9区・岸本
國學院大學 10.55.01
順天堂大学 10.55.18 10区・西澤
早稲田大学 10.55.21  
法政大学 10.55.28 8区・宗像 
創価大学 10.55.55  
城西大学 10.58.22 5区・山本(区間新) 
10 東洋大学 10.58.26 8区・木本    ※以上10校が来年のシード権を獲得
11 東京国際大学 10.59.58 4区・ヴィンセント(区間新)
12 明治大学 11.01.37 1区・富田、7区・杉
13 帝京大学 11.03.29   
14 山梨学院大学 11.04.02  
15 東海大学 11.06.02
16 大東文化大学 11.06.08
17 日本体育大学 11.06.32  
18 立教大学 11.10.38
19 国士舘大学 11.13.56  
20 専修大学 11.19.28  
関東学生連合 (11.17.13) ※オープン参加のため参考記録
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