第95回東京箱根間往復大学駅伝競走 東洋大学全成績


トップ頁に戻る
【レースを振り返って(管理人の私的戦評・総括)】
  チームスローガン “その一秒をけずりだせ”とともに、シーズンスローガン「鉄紺の真価でくつがえせ」を掲げてV奪回に挑んだ第95回箱根駅伝は、2年連続の往路優勝の勢いそのままで8区途中までトップを走り続けたが、「速さ」を「強さ」に進化させた東海大と、復路5連覇の意地を見せた青学大を崩せず3位で終えた。
  2009年の第85回大会での初優勝以来、11年連続で3位以内という素晴らしい結果を残すも、常に頂点を目指すチームにとっては、決して満足できる結果ではない。しかし、小笹主将、山本副将を中心にチーム一丸となり、前評判の高かった東海大と青学大を相手に今の力を出し尽くした。今大会も成果と課題が多く見つかったので、良かったことは自信に、課題となったことは経験となり、来季に向けた飛躍の糧になると思う。
  1区の西山選手は、駅伝シーズンの不調を払拭する躍動感ある素晴らしい走りで2年連続の区間賞。長い箱根駅伝の歴史の中で、1区で2年連続区間賞は第87・88回大会の早大・大迫選手以来で史上8人目の快挙であり、1区初の3年連続区間賞の偉業への挑戦も楽しみである。
  2区の山本副将は、2度目の2区を鉄紺のエースとして激走した。最終盤に国士大・ヴィンセント選手にかわされたものの、鉄紺史上3人目の2区・7分台で4年連続の箱根を終えた。学年が上がるごとに成長曲線を描いている選手なので、実業団での飛躍がとても楽しみである。
  3区の吉川選手は、青学大・森田選手が約1分後ろから追ってくる展開の中で、怯むことなく前を追いトップに躍り出る走りに強さを感じた。区間4位ではあるが、3区で2分台の走りは素晴らしく鉄紺東洋でも3人目の好記録である。
  4区の相澤選手は、故障による不安があったとは思えない渾身の走りで区間新。青学大のシナリオを狂わせる圧巻の激走で鉄紺のエースの系譜が引き継がれた。鉄紺のエースから学生陸上界のエースへ、そしてその先へと続く相澤選手の活躍から目が離せない。
  5区の田中選手は、今季はトラックでの走力も上げ満を持して2回目の山に挑み、後続の速い展開で差を詰められたものの、昨年より1分24秒も早いタイムの区間8位で2年連続の往路優勝のテープを切った。しかし、区間新を叩き出した國學大・浦野選手のタイムは約2分も早いので、まず往路3連覇を果たすには、5区では最低でも11分台で走り切る走力が求められるので、田中選手の更なる進化に期待したい。
  6区の今西選手は、前回の箱根を経験して今季一番潜在能力が開花した選手。復路のスタートで青学大・小野田選手とのリベンジマッチを制することが総合優勝の絶対条件であったが、今西選手が「人間じゃない」と語ったように、今年も小野田選手はかつて「秩父の小天狗」と称された選手のように軽快に山を下り、57分台の区間新を出すも今西選手はわずか15秒差の区間3位でトップを死守した。神話のまち宮崎県高原町出身の今西選手が、次の箱根で圧巻の区間新を叩き出し、人間を超える“新たな天狗伝説”の主役になるか注目したい。
  7区の小笹主将は、部の方針で3年生から主将を任され、自身の競技力向上と部をまとめ上げる重圧の中で最後の箱根に挑み、ケガを抱えながらも鉄紺東洋の攻めの走りを見せてくれた。7区を2度走った服部弾馬選手とそれほど変わらない3分台のタイムは素晴らしく、小笹主将の心意気は来季の後輩たちに必ず引き継がれる。実業団での大活躍を楽しみにしている。
  8区の鈴木選手は、初ハーフ2分台の実力そのままに格上の東海大・小松選手にマークされながら粘りの走りを見せた。後半は一日の長で先行されたが、唯一の1年生として走った鈴木選手にとって、将来の鉄紺のエースとなるための貴重な悔しい経験となったはず。鉄紺東洋の8区・4分台は歴代3人目であり、1年生では過去最高タイムなので大健闘ではあるが、同じ1年の青学大・飯田選手に10秒負けての区間3位は、来季の飛躍するための糧にしてほしい。
  9区の中村拳吾選手は、4年間の最後で三大駅伝への出場を果たした。コツコツとトラックとロードで経験を積み上げ、昨年は5000mと10000mでPBを更新、ハーフでも3分台を連発するなど、努力が着実に成果として表れる鉄紺東洋らしい選手である。今回の箱根では、駅伝レースでの経験不足で本来の力が発揮できなかったと思う。実業団ではこの悔しさをバネに、着実に力を付けマラソンにも挑戦してほしい。中村選手は長い距離で力を発揮する選手だと、青梅マラソンでの走りを見て感じた。
  10区アンカーの大澤選手も、三大駅伝初出場でアンカーの大役を担った期待の選手。今回の経験を生かし、来季はトラックとロードで存在感を見せてほしい。大澤選手が三大駅伝の主力メンバーにる姿を見たい。
  第95回大会は、酒井監督のコメントにもあるとおり、8区の途中までは先頭の景色を見ることが三大駅円できた。その景色を大手町まで見続けるために、東海大、青学大にあって鉄紺東洋に無かったもの、足りなかったものを早急に見つけ出し、大学駅伝3冠、箱根V奪回に向けチーム一丸となって再チャレンジしてほしい。
 我々鉄紺ファンは、それぞれの応援スタイルでこれからも応援し続ける。
  来季は、東海大の3冠・箱根連覇阻止、そして“鉄紺東洋”の黄金時代の幕開けを!
 
2019(H31)年1月2日(往路)・3日(復路)  東京・読売新聞社前〜箱根・芦ノ湖(217.1km)
総合3位(往路優勝(往路新)・復路5位)
通算記録 10時間58分03秒 ※鉄紺新記録(大会新は東海大の10時間52分09秒)
〔トップに5分54秒もの差をつけられるも来季につながる課題と収穫の3位〕
11年連続3位以内・14年連続シード確保で鉄紺東洋記録更新中!
往路区間 1区
大手町〜鶴見

<21.3km>
2区
鶴見〜戸塚
<23.1km>
3区
戸塚〜平塚
<21.4km>
4区
平塚〜小田原
<20.9km>
5区
小田原〜箱根町
<20.8km>
往路成績
107.5km
氏名・学年 西山和弥・2 山本修二・4 吉川洋次・2 相澤 晃・3 田中龍誠・2
出身高校 東農大二 遊学館 那須拓陽 学法石川 遊学館
区間記録 1.02.35 1.07.37 1.02.33 1.00.54 1.12.52
区間順位 1位 4位 4位 1位 8位
往路通算 1.02.35 2.10.12 3.12.45 4.13.39 5.26.31 5.26.31
往路順位 1位 2位 2位 1位 1位 1位
東洋記録 田口雅也
(90・2014)
1.01.46
服部勇馬
(92・2016)
1.07.04
設楽悠太
(90・2014)
1.02.13
相澤 晃
(95・2019)
1.00.54
田中龍誠
(95・2019)
1.12.52
(95・2019)
5.26.31

区間記録
佐藤悠基
(東海大)
1.01.06
モグス
(山梨学大)
1.06.04
森田歩希
(青学大)
1.01.26
相澤 晃
(東洋大)
1.00.54
浦野雄平
(國學大)
1.10.54
東洋大
(95・2019)
5.26.31
復路区間 6区
箱根町〜小田原

<20.8km>
7区
小田原〜平塚
<21.3km>
8区
平塚〜戸塚
<21.4km>
9区
戸塚〜鶴見
<23.1km>
10区
鶴見〜大手町
<23.0km>
復路成績
109.6km
氏名・学年 今西駿介・3 小笹 椋・4 鈴木宗孝・1 中村拳吾・4 大澤 駿・2
出身高校 小林 埼玉栄 氷取沢 八戸学院光星 山形中央
区間記録 58.12 1.03.45 1.04.44 1.12.20 1.12.31
区間順位 3位 3位 3位 19位 10位
復路通算 58.12 2.01.57 3.06.41 4.19.01 5.31.32 5.31.32
復路順位 3位 3位 3位 5位 5位 5位
通算記録 6.24.43 7.28.28 8.33.12 9.45.32 10.58.03 10.58.03
通算順位 1位 1位 2位 2位 3位 3位
東洋記録 今西駿介
(95・2019)
58.12
設楽悠太
(88・2012)
1.02.32
大津顕杜
(88・2012)
1.04.12
上村和生
(90・2014)
1.09.24
大津顕杜
(90・2014)
1.09.08
(91・2015)
5.30.35
区間記録
小野田勇次
(青学大)
57.57
林 奎介
(青学大)
1.02.16
小松陽平
(東海大)
1.03.49
篠藤 淳
(中学大)
1.08.01
松瀬元太
(順大)
1.08.59
青学大
(91・2015)
5.25.29
※往路記録は前回大会を上回り往路新記録(鉄紺新規記録)!
印の4区・相澤選手、5区・田中選手、6区・今西選手が東洋大学区間記録を更新!
※総合記録は前回大会を上回り鉄紺新記録!
第95回東京箱根間往復大学駅伝競走の結果
順位 大学名 総合タイム  備考(区間賞獲得者)
東海大学 10.52.09 総合新記録 ※史上17校目の総合優勝
8区・小松
青山学院大学 10.55.39 総合新記録
3区・森田、6区・小野田、7区・林、9区・吉田圭
東洋大学 10.58.03 鉄紺新記録 1区・西山、4区相澤
駒澤大学 11.01.05  
帝京大学 11.03.10 10区・星 
法政大学 11.03.57
國學院大學 11.05.32 5区・浦野 
順天堂大学 11.08.35  
拓殖大学 11.09.10  
10 中央学院大学 11.09.23 ※以上10校が来年のシード権を獲得
11 中央大学 11.10.39  
12 早稲田大学 11.10.39
13 日本体育大学 11.12.17
14 日本大学 11.13.25 2区・ワンブィ
15 東京国際大学 11.14.42
16 神奈川大学 11.15.51
17 明治大学 11.16.42
18 国士舘大学 11.16.56
19 大東文化大学 11.19.48  
20 城西大学 11.19.57
21 山梨学院大学 11.24.49
22 上武大学 11.31.14
関東学生連合 (11.21.51) ※オープン参加のため参考記録
この頁の先頭に戻る