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【レースを振り返って(管理人の私的戦評・総括)】 史上6校目の3連覇は果たせなかったが、酒井イズムにより着実に鉄紺東洋が強くなっていることが証明された第87回大会であった。往路を制した鉄紺東洋が往路新記録を更新するなど、往路・復路とも全体的に高速化したハイレベルなレース展開の中で、1大会で区間賞獲得4つは鉄紺史上最多であり、10人すべての区間順位が一桁だったのは総合4位となった昭和39(1964)年の第40回大会以来の快挙である(その時は区間賞獲得者はなし)。 今回の箱根は「東洋大の3連覇か早大の3冠か」が焦点となっていたが、終わってみれば戦前の予想どおり両校が死力を尽くし217.9qにわたって総力戦を繰り広げ、最後まで勝負がわからない近年稀に見る記憶に残る箱根駅伝だったと思う。結果的に早大に18年ぶり13度目の総合優勝をさせてしまったが、2位の鉄紺東洋との差は「21秒」、距離にしてわずか120m届かなかった史上最小差での勝負であった。 「3連覇を狙って勝つ強いチームをめざす」という酒井監督の目標に呼応して選手たちも強くなり、総合記録もあと少しで11時間を切るところまでにチーム力が向上した。ただ、優勝した早大のほうがほんの少しだけ勝負に対する執念が勝っていた。その差が「21秒」である。誰かがあと数秒早かったら、という問題ではない。鉄紺東洋にブレーキというレベルの走りをした選手がいなかったにもかかわらず、区間賞を4つも獲得しながらチームとして早大に「21秒」負けたということである。一人あたり「2.1秒」速いタイムで襷をつないでいたら・・・と敗因を分析することは意味がない。それよりも「なぜ21秒差で負けたのか」、「3連覇をめざしてやってきたにもかかわらず早大に及ばなかった21秒差とは何か」ということをしっかりと考えて受け止めたうえで、来年再び優勝するためにやるべきこと、しなければならないこと、すなわち「todo(トゥドゥ)」を意識して一年間努力を続けていく必要があるだろう。優勝した早大は連覇に向けさらに強くなり、3位の駒大も7度目の優勝に向けさらにチーム力を高めてくるだろう。鉄紺東洋も、「21秒差の悔しさ」を忘れることなく、来季のトラック、ロードシーズンを戦い、出雲と全日本も全力で臨み「大学駅伝3冠」を狙う気概を選手一人ひとりがもってほしい。鉄紺東洋の選手たちと早大や駒大の選手たちとの力の差はほどんどないはずである。レースで差がつくとすれば、日々の練習に臨む姿勢、勝負に対する意識の差だけではないだろうか。鉄紺東洋の選手一人ひとりが、優勝した早大の選手よりも「21秒」早く走る努力をすれば第88回大会では圧倒的な強さで早大に雪辱することができる。また、これからの鉄紺東洋は各区間で「区間新」を積極的に狙っていくような強気の走りが必要だ。なぜなら、鉄紺東洋が区間記録を持っている5区以外の区間では東洋大記録と区間記録との差は平均して概ね2分程度あり、このを差を年々縮めていく心意気の走りをすることで、常勝チームとして進化し続けていくことにつながる。 来年、再びトップで大手町のフィニッシュテープを切るために、鉄紺が輝くための戦いはもう始まっている。箱根を走った経験者だけの戦いではない。むしろ16人に選ばれなかった選手たちにこそ「21秒の雪辱」を胸にこの1年間で飛躍をしてほしい。チャンスは全員にあるはずだ。 平成24(2012)年の第88回箱根駅伝は鉄紺東洋の出場70回目の節目であると同時に、東洋大学創立125周年に華を添えることができるかどうか重要な大会となる。「感謝」と「心意気」を胸に、ふたたび「山」に登り新たな鉄紺の歴史を築き上げてほしい。「21秒差の敗戦」は、真の「鉄紺東洋黄金時代」につなげなければならない。 酒井監督がレース後のミーティングで選手たちに伝えた「もう戦いは始まっているんだよ。今回乗り越えることができなかった山を、来季みんなでしっかり登りつめよう」という言葉を、チーム全体で噛みしめ、選手一人ひとりが胸に刻んでほしい。 |
H23・2011年1月2日(往路)・3日(復路) 東京・読売新聞社前〜箱根・芦ノ湖(217.9km) |
総合成績 2位(往路優勝・復路2位)(通算記録 11時間00分12秒) (3年連続往路優勝もわずか“21秒”で鉄紺東洋史上初の悔しい総合2位) |
往路区間 | 1区 大手町〜鶴見 <21.4km> |
2区 鶴見〜戸塚 <23.2km> |
3区 戸塚〜平塚 <21.5km> |
4区 平塚〜小田原 <18.5km> |
5区 小田原〜芦ノ湖 <23.4km> |
往路成績 108.0km |
氏名・学年 | 川上遼平・3 | 設楽啓太・1 | 設楽悠太・1 | 宇野博之・3 | 柏原竜二・3 | |
出身高校 | 仙台育英 | 武蔵越生 | 武蔵越生 | 武蔵越生 | いわき総合 | |
区間記録 | 1.04.23 | 1.08.09 | 1.04.00 | ☆55.25 | 1.17.53 | |
区間順位 | 8位 | 7位 | 8位 | 3位 | 1位 | |
往路通算 | 1.04.23 | 2.12.32 | 3.16.32 | 4.11.57 | 5.29.53 | 5.29.50 |
往路順位 | 8位 | 6位 | 7位 | 3位 | 1位 | 1位 |
東洋記録 | 宇野博之 (86・2010) 1.03.02 |
黒ア拓克 (83・2007) 設楽啓太 (87・2011) 1.08.09 |
大西智也 (85・2009) 1.03.21 |
宇野博之 (87・2011) 55.25 |
柏原竜二 (86・2010) 1.17.08 |
(87・2011) 5.29.50 |
区間記録 |
佐藤悠基 (東海大) 1.01.06 |
モグス (山梨学大) 1.06.04 |
竹澤健介 (早大) 1.01.40 |
西村知修 (帝京大) 54.34 |
柏原竜二 (東洋大) 1.17.08 |
東洋大 (87・2011) 5.29.50 |
復路区間 | 6区 芦ノ湖〜小田原 <20.8km> |
7区 小田原〜平塚 <21.3km> |
8区 平塚〜戸塚 <21.5km> |
9区 戸塚〜鶴見 <23.2km> |
10区 鶴見〜大手町 <23.1km> |
復路成績 109.9km |
氏名・学年 | 市川孝徳・2 | 大津翔吾・4 | 千葉 優・4 | 田中貴章・3 | 山本憲二・3 | |
出身高校 | 高知工業 | 東農大三 | 盛岡南 | 稲生 | 遊学館 | |
区間記録 | 59.58 | ☆1.04.49 | ☆1.06.13 | ☆1.09.46 | ☆1.09.36 | |
区間順位 | 3位 | 4位 | 1位 | 1位 | 1位 | |
復路通算 | 59.58 | 2.04.47 | 3.11.00 | 4.20.46 | 5.30.22 | 5.30.22 |
復路順位 | 3位 | 3位 | 3位 | 3位 | 2位 | 2位 |
通算記録 | 6.29.48 | 7.34.37 | 8.40.50 | 9.50.36 | 11.00.12 | 11.00.12 |
通算順位 | 2位 | 2位 | 2位 | 2位 | 2位 | 2位 |
東洋記録 | 末上哲平 (82・2006) 59.40 |
大津翔吾 (87・2011) 1.04.49 |
千葉 優 (87・2011) 1.06.13 |
田中貴章 (87・2011) 1.09.46 |
山本憲二 (87・2011) 1.09.36 |
(87・2011) 5.30.22 |
区間記録 |
千葉健太 (駒大) 58.11 |
佐藤悠基 (東海大) 1.02.35 |
古田哲弘 (山梨学大) 1.04.05 |
篠藤 淳 (中学大) 1.08.01 |
松瀬元太 (順大) 1.08.59 |
駒大 (78・2002) 5.28.47 |
※2区の設楽啓がタイ、4区宇野・7区大津・8区千葉優・9区田中・10区山本憲選手が 東洋大学区間記録を更新! |
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第87回東京箱根間往復大学駅伝競走の結果 |
順位 | 大学名 | 総合タイム | 備考 ※区間賞獲得者 |
1 | 早稲田大学 | 10.59.51 | 18年ぶり13度目の総合優勝 1区・大迫 |
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2 | 東洋大学 | 11.00.12 | 5区・柏原、8区・千葉優、9区・田中、10区・山本憲 |
3 | 駒澤大学 | 11.03.53 | 6区・千葉、7区・窪田 |
4 | 東海大学 | 11.08.12 | 2区・村澤 |
5 | 明治大学 | 11.08.24 | |
6 | 中央大学 | 11.11.24 | |
7 | 拓殖大学 | 11.11.28 | |
8 | 日本体育大学 | 11.13.19 | |
9 | 青山学院大学 | 11.13.20 | |
10 | 國學院大學 | 11.13.23 | ※以上10校がシード権獲得 |
11 | 城西大学 | 11.13.26 | |
12 | 山梨学院大学 | 11.13.50 | 3区・コスマス |
13 | 帝京大学 | 11.14.21 | 4区・西村 |
14 | 東京農業大学 | 11.15.43 | |
15 | 神奈川大学 | 11.16.37 | |
16 | 中央学院大学 | 11.19.00 | |
17 | 専修大学 | 11.21.05 | |
18 | 関東学連選抜 | 11.21.17 | |
19 | 上武大学 | 11.25.11 | |
20 | 日本大学 | 11.28.00 |
※2位東洋までの総合タイムは総合新記録! |
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