“鉄紺”レース速報(箱根駅伝版・復路)

トップ頁に戻る
心意気でつないだ復路の襷、“薄氷のシード権”が意味するものは
【復路を振り返って(管理人の私的戦評)】
  往路9位も、トップの早大まで5分15秒差なので復路の展開によってはまだまだ上位を狙える位置でのスタート。6区は前回区間4位と好走した大西一輝選手。巻き返しの流れを作るべく気迫のスタートを見せた。結果的に、足のアクシデントにより区間18位で順位も3つ下げたが、もがき苦しみながらも気迫で鉄紺の襷をつなぎきってくれました。シードすれすれから総合3位をめざすという状況の中で、復路で唯一の経験者という責任感から攻めの気持ちが強かったことと思いいます。
  続く7区の櫻井選手は最初で最後の箱根。12位まで後退し、すぐ前を走る大東大を抜いてさらに前を追いかけなければならない状況での襷リレーでした。後続のチームには差を詰められなかったものの順位は変わらず12位。しかし、区間7位で7区の東洋大記録を更新する力走は、8区以降の快走の呼び水になったと思います。
  8区は唯一の1年生大津選手。桜井選手同様プレッシャーがかかるレース展開の中、大東大と競り合いながら日大を抜き去り、最後は9位の中大に迫るほどの攻めと粘り走りは見事でした。
  9区は、櫻井選手同様最初で最後の箱根に競技生活のすべてをぶつける中田選手。2006年の日本平桜マラソンでの優勝の他に目立った戦績は無かったものの、練習に学業に4年間黙々としっかりやってきた選手ということで、川嶋監督をはじめチームスタッフ全員が自信をもってエントリーした選手です。このような努力の選手が、最終学年できっちりと結果を残すところが素晴らしい。最後は日大・帝京大を突き放し、区間7位の快走で順位を9位にまで押し上げました。堂々と楽しそうに走るその姿に“心意気”を感じました。
  そして10区アンカーは着実に成長を見せている岸村選手。前を行く8位中大までわずか7秒差、後続との差も10位帝京大と8秒、11位日大と1分1秒、12位日体大までも1分19秒という非常にプレッシャーのかかる展開でした。結果的には帝京大と日大にかわされ、シード圏外に弾かれたものの、岸村選手も前回大会の10区区間3位相当の記録で頑張って走っていたからこそ、アクシデントとはいえ、シードにつながったと思います。
◎第84回箱根駅伝・東洋大学成績《復路》
区間 氏名 学年 タイム 区間順位 復路順位 私的寸評
第6区 大西一輝 3年 1.03.20 18位 18位 気迫のスタート、心意気でつないだ鉄紺の襷
第7区 櫻井 豊 4年 1.05.35 6位 16位 4年間の集大成、東洋大記録更新で締めくくり
第8区 大津翔吾 1年 1.07.13 7位 15位 力があることを証明、自信をさらに飛躍の糧に!
第9区 中田貴勝 4年 1.10.54 13位 努力の人 中田選手に“心意気”を感じました
第10区 岸村好満 2年 1.11.47 10位 10位 この悔しさをバネに明るく自信をもって頑張れ!
復路成績  5.38.49  10位
往路成績  5.38.23 9位
総合成績 11.17.12 10位 第60回大会以来24年ぶりの3年連続シード
※タイムの前の☆は東洋大学区間新記録
◎第84回箱根駅伝・復路成績
1位 駒澤大学 5.30.38 3年ぶり7回目の復路優勝
2位 中央学院大学 5.33.49
3位 早稲田大学 5.34.21
4位 関東学連選抜 5.36.00
5位 帝京大学 5.36.14
6位 亜細亜大学 5.36.16
7位 城西大学 5.37.00
8位 中央大学 5.37.29
9位 日本体育大学 5.38.40
10位 東洋大学 5.38.49
11位 神奈川大学 5.38.59
12位 日本大学 5.39.05
13位 専修大学 5.39.40
14位 山梨学院大学 5.39.53
15位 国士舘大学 5.42.08
16位 東京農業大学 5.43.24
17位 法政大学 5.45.43
東海大学 記録なし 10区途中棄権
大東文化大学 記録なし 9区途中棄権
順天堂大学 5.43.32 非公式記録