鉄紺東洋、1秒をけずりだす全員駅伝で 悲願の伊勢路初制覇! |
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【【レースを振り返って(管理人の私的戦評)】 ついに、その瞬間がきた。1973(昭和48)年の第4回大会に初出場して以来、途中に何度かの不出場期間を経て、積み重ねてきた23回目の全日本の舞台で、鉄紺東洋が悲願の初優勝を果たした。 第40回大会から8年連続出場となる今大会、今年の箱根を制した青学大が圧倒的有利と目されていた中、メンバーに選ばれた8人の選手たちが、1区の服部勇主将の見せた1秒をけずりだす心意気の走りを胸に刻み、追いつかれても離れない粘りと、1秒をけずりだす鉄紺東洋伝統のラストスパートを見せ、盤石の襷リレーで上村副将が歓喜のフィニッシュテープを切った。 これまでの全日本駅伝では最高位の「2位」が4回もあり、柏原選手や設楽兄弟を擁しても越えられない鉄紺東洋にとっての壁があった。酒井監督がインタビューの中で涙で語ったように、多くの鉄紺ランナーたちが挑んでは阻まれてきた“壁”への思いが、3年前の悔しさを知る服部勇主将を後押しし、その思いが2区以降の選手たちにも伝わり、見ている人をしびれさせるような、鳥肌が立つようなりを素晴らしい走りにつながったように思う。総合記録は東洋大新記録であり、鉄紺東洋の区間記録も3つ更新し区間賞も最多の4個を獲得するなど、まさに、勝つときにはこういう展開だという完璧なレースであった。 1区の服部勇主将は、青学大・早大と同タイムながらも鉄紺のエースとして流れを作る重要な役目をしっかり果たした。2区の服部弾選手は終始力強い走りで2位以下を突き放し、服部兄弟の力を見せつけた。3区の口町選手は、大学駅伝デビューとなった10月の出雲でいきなり区間賞を獲得し、ようやく実力が開花し勢いのある選手。この口町選手の走り如何によって、今年の鉄紺東洋が「服部兄弟に頼るチームなのか、服部兄弟を活かすチームなのか」の試金石になると見ていた。結果は、区間記録にあと3秒と迫る好記録で2位との差を広げ、出雲に続く区間賞の走りで大会MVPも獲得した。4区の櫻岡選手は、服部兄弟に続くエース格として活躍が期待される選手。これまでの駅伝では潜在能力を発揮しきれていなかった感があったが、今回のレースでは青学大の久保田選手に追いつかれてからも並走しながら食い下がり、冷静にスパートの機会を窺がって突き放した走りは見事であった。5区の高橋選手は、青学大に追いつかれたものの、区間2位で出雲での悔しさを挽回する激走をみせた。最後の箱根では区間賞を獲るしかない。6区の野村選手は、いま最も進境著しい選手。青学大との並走から離されても粘り続け、最後に見せてレーザービームのようなラストスパートは見事。経験値を積み上げたことで、次の箱根でも更に進化した走りをしてくれるだろう。7区の堀選手はもともとスピードのある実力者だが、競り合いの展開でも大学駅伝デビューとは思えない冷静な走りで、区間賞を獲得したのは頼もしかった。8区の上村副将は、2位の青学大・神野選手との差が27秒で追ってくる怖さも感じていたとのことだが、そのような展開でも冷静に安定感のある走りを貫いたのは頼もしかった。最後の箱根でも素晴らしい走りを見せてくれるだろう。 今回の全日本に勝ったことで、次の箱根に向け自信につなげる部分はあっても良いが、過信と油断をしてはならない。箱根駅伝とは気候も距離も異なり、コースの特徴も違う。全日本では概ね100点に近いレースであっても、次の箱根を見据えたとき、課題も多く見出せたと思う。 残り50日余りの中で、怪我や風邪、事故等にはくれぐれも気をつけて、主力にはさらなる進化を、そして箱根で活躍する新戦力の出現も期待したい。 今年の箱根駅伝での悔しさを忘れず、 「箱根だけは絶対に譲れない、1秒をけずりだすんだ」という強い気持ちを胸に、チーム一丸となって更なる進化を遂げ、立ち向かうことを期待したい。 箱根V奪還に向けて 輝け鉄紺! がんばれ東洋大学 |
第47回大会 2015(平成27)年11月1日(日)開催 |
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東洋大学の成績 |
区間 | 距離 | 氏名 | 学年 | タイム | 区間順位 | 総合順位 | 備考 |
1区 | 14.6km | 服部勇馬 | 4年 | 43.11 | 1位 | 1位 | |
2区 | 13.2km | 服部弾馬 | 3年 | 37.34 | 1位 | 1位 | |
3区 | 9.5km | 口町 亮 | 3年 | 26.58 | 1位 | 1位 | |
4区 | 14.0km | 櫻岡 駿 | 3年 | 41.01 | 5位 | 1位 | |
5区 | 11.6km | 高橋尚弥 | 4年 | 33.54 | 2位 | 2位 | |
6区 | 12.3km | 野村峻哉 | 2年 | 36.08 | 2位 | 1位 | |
7区 | 11.9km | 堀 龍彦 | 2年 | 35.10 | 1位 | 1位 | |
8区 | 19.7km | 上村和生 | 4年 | 59.08 | 4位 | 1位 | |
106.8km | 総合タイム | 5.13.04 (東洋大新) |
初優勝(8年連続シード) |
第47回全日本大学駅伝の結果(上位+関東学連所属校のみ) |
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順位 | 大学名 | 総合タイム | 備考(区間賞獲得者) |
1 | 東洋大学 | 5.13.04 | 1区・服部勇、2区・服部弾、3区・口町、7区・堀 |
2 | 青山学院大学 | 5.14.08 | 4区・久保田、5区・下田 |
3 | 駒澤大学 | 5.15.33 | 6区・馬場 |
4 | 早稲田大学 | 5.15.36 | |
5 | 東海大学 | 5.17.42 | |
6 | 明治大学 | 5.17.51 | ※以上6校が次大会のシード権獲得 |
7 | 山梨学院大学 | 5.17.56 | 8区・ニャイロ |
8 | 順天堂大学 | 5.19.15 | |
9 | 中央学院大学 | 5.19.22 | |
10 | 日本大学 | 5.19.26 | |
12 | 日本体育大学 | 5.23.47 | |
13 | 神奈川大学 | 5.24.30 | |
14 | 帝京大学 | 5.24.33 | |
15 | 國學院大學 | 5.24.37 | |
18 | 大東文化大学 | 5.30.07 |
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