【レースを振り返って(管理人の私的戦評)】
出雲駅伝では後半の失速により3位入賞シードを逃したが、箱根V3に向け勝負のオーダーで臨んだ全日本大学駅伝。結果的に銅メダルの3位入賞シードを獲得したが、6区終了時点でトップ早大と13秒差の2位であったことを考えると、伊勢路初制覇の可能性も十分にあったことから悔やまれるレースであった。しかし、箱根V3を最大目標に据えたとき、今回も課題とともに収穫もあった大会として評価することができる。
1区の設楽啓選手は、出雲に続くスターターとして流れを作る重責を担うことになったが、冷静かつクレバーな走りで鉄紺東洋3人目の伊勢路1区区間賞を獲得した。2区に登場した柏原選手は、大学三大駅伝連続出場が出雲で途切れた悔しさを晴らす走りを期待していたが、まだ復活途上の走りであって箱根までの完全復調が待たれるところである。3区の本田選手は、出雲での勢いそのままに他校エース級の選手をなぎ倒す心意気の走りで区間2位は見事であった。続く4区の川上選手は、出雲での不本意な走りを挽回する積極果敢な走りを期待したが、区間2位とはいえ結果として首位を明け渡すこととなった。川上選手自身が一番悔しい思いをしているはずなので、箱根に向けてはこの経験を活かしてほしい。5区の設楽悠選手は、後半離されたものの、早大に食らいつく粘りの走りを見せたことで箱根につながる経験を積むことができたと思う。6区の田中選手は、地元選手として昨年に続く区間賞が期待されたが、後半伸びずに区間賞に8秒差の区間3位という結果に終わる。ここで田中選手がトップに立つ走りができれば、今年も区間賞を獲得できたことだろう。7区の渡邊選手は、トップ早大まで13秒差の好位置でタスキを受けたにもかかわらず引き離され、さらに駒大にも抜かれ3位に後退。勝負強さと安定感を磨いて箱根に臨んでほしい。8区の大津翔選手は、3年連続のアンカーであり熟知したコースを危なげなく走り切り3位をキープ。早大とのアンカー勝負を制して笑顔で伊勢神宮に飛び込んでくる姿を見たかったが、この悔しさを箱根で晴らしてほしい。
3位という結果は決して悪くはないが、箱根V3を目指すチームにとっては決して満足できる結果ではない。出雲同様、課題とともに収穫があっても、箱根で結果を出さなければ意味がない。今回走った選手たちはいうまでもなく、走れなかった選手がいかに悔しさを感じ、チームとしてどれだけ箱根指向になれるかにかかってくると思う。良かったことは「自信」に、悪かったことは「経験」にかえて、およそ1か月後に迫った箱根のチームエントリーに向けてチーム全体の士気が高まることを期待したい。
決して慢心することなく、常に感謝と心意気の気持ちを胸に刻み、競技と学業の両立、手洗いうがいの徹底など基本を意識して体調管理に万全を尽くしてほしい。
第87回箱根駅伝まであと51日、酒井監督のもと、焦らず、たゆまず、チーム一丸となって見据えるは箱根3連覇!、輝け鉄紺!がんばれ東洋大学
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